fx ロスカット
FXのロスカットとは??→「強制決済」のこと!
ロスカット(強制ロスカット)とは、FX(外国為替証拠金取引)において、ある一定の水準以上の損失が発生した場合にFX会社が発動する「強制決済」、いわば退場させられることです。
ロスカットは、仮想通貨や株といった投資にも存在し、仕組みや役割はほぼ同じです。
そもそも、FXではどのタイミングで利益や損失を確定させるかを個人で決めることができます。
たとえば、1ドル100円で10,000通貨を購入した場合で考えてみましょう。その後、為替が動いて1ドル99円になったとします。
ここで決済をすれば1万円損することになりますが、それ以上の損失を防ぐことができます。一方で、ぐっと決済をこらえて、利益が出る為替レートまで上昇するのを待ってから決済することもできます。
ただ、待ってもレートが上がらなかった場合や、大きな相場変動に気づかなかった場合は、証拠金以上の損が出る可能性もあります。
ロスカットって悪いもの?強制決済による影響は?
ロスカットは損の拡大を防いでくれるものです。一方で「決済を待っていれば取り戻せたかもしれない」お金が消えてしまうため、できるだけ発動させないほうが望ましいです。
ただ、ロスカットされたからといって、その後の取引にとくに影響があるわけではありません。
ほとんどのFX会社で、ロスカットに取引手数料がかかることはありませんし、ロスカットされた時点での資産はきちんと残ります。
残された資産を使って、再び取引を始めることも可能です。
ロスカットが発動されるタイミング!
ロスカットは、証拠金維持率が一定水準以下になると発動されます。
証拠金維持率とは
• 実際の取引金額に対して証拠金が占めている割合のこと。証拠金維持率は「有効証拠金」÷「必要証拠金額(取引証拠金)」で計算される
ロスカットの判定は常に一定の間隔で行われており、条件を満たした時点で時間を問わず発動されます。
判定の間隔は、各FX会社によって異なりますが、多くのFX会社では数秒から十数秒に1回の頻度で判定が行われます。これは、「値洗い」とも呼ばれます。
気づいた時には発動されてしまうのがロスカットです。
では、ロスカットを回避するためには何をすればいいのでしょうか?
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ロスカットされないための2つの対策!
ロスカットを避ける方法は2つあります。
一つ目は証拠金残高を増やすこと、二つ目は自分でこまめに損切りをすることです。
損切りとは
• 取引で出た損を決済して確定させること
では、ロスカットを防ぐ具体的な方法について解説します。
ロスカット対策1:追加の証拠金を口座に入れる。実際の取引金額ギリギリのお金しか口座に入れていなかった場合、少しの為替変動でロスカットされてしまいます。
FXでは急激な相場変動でレートが予期せぬ動きをする場合もあります。そういった急変に耐えられるよう、預け入れる証拠金には余裕を持っておきましょう。
口座にいくらお金を入れておけばよいかは投資額によっても変わりますが、実際に入れている証拠金の半分程度の額で取引を行うのがおすすめです。
ロスカットの基準に達する前に、損失傾向にあるポジション(持ち高)を決済することでロスカットを免れることができます。
とはいえ、損をすることがわかっているのに決済をするのは勇気がいります。
損切りせずにポジションを持ち続けることを「塩漬け」と呼ぶ用語が既にあるように、FXでは多くの人が悩み、失敗するポイントなのです。
いつ損切りをすればいいのかわからない、という方は、大損しないためにもぜひ損切りのラインを決めておくことをおすすめします。
たとえば、資金の2%の含み損になったら決済する、など、資金に対する損の割合で決定する方法があります。
FX会社によっては、損失がロスカットのラインに近づいた一定の時点で警告を出してくれるサービスがあります。これがマージンコールです。
要は、強制決済にならないためには追加の証拠金が必要ですよ、という意味での警告なので「追証(追加証拠金制度)」とも呼ばれています。
ロスカットアラートといって、ロスカットに近づいた時点で注意喚起を促すアラートメールを送るサービスもあります。
これを損切りのひとつの目安にして取引を行うことも、比較的ロスカットを避けるのに役立つ手法のひとつです。
なお、ロスカットアラートは通常メールアドレスに通知が行きます。設定するメールアドレスは、自分が頻繁に確認できるものにしておきましょう。
ロスカットアラートのメールは1日に1回しか来ないところがあります。1度対処したからといって、油断は禁物です。
また、前述したとおり、会社によっては追証なし、ロスカットアラートもなしの場合もあります。
とくに、海外のFX会社は基本的に追証がありません。FX口座開設の前に取引要綱などでしっかり確認しましょう。
「滑る」とロスカットされても資金がマイナスに!
ロスカットされたのにもかかわらず、顧客の資産がゼロになったり、マイナスになることがあります。
もともと、FXのドル円やユーロ円などのレートは1銭刻みで動いているわけではありません。相場急変時には10銭や数十銭動くこともあります。
ロスカットが決定してから発動するまでの数十秒間で一気に相場が動くと、ロスカットが間に合わないため変動後のレートが適用されて決済となります。指定したポイントのレートで決済がなされず、違うレートで決済されてしまうことを「滑る」といいます。
ロスカットが効かない、すなわち滑った場合に予想損失額よりも損失額が拡大することはありえるのです。
ネットで少し調べると、南アフリカランドの暴落やスイスフランの暴落、さらに、東日本大震災の際の急落などで滑った人の体験談も見うけられます。
ロスカットをされるから絶対に安全、ということはありません。自身でもニュースや経済の動きに注意しましょう。
資産がマイナスになってしまったら不足分を払わなくてはならない、自分のFX口座の資産がマイナスになった場合、このマイナス分を「不足金」といいます。
FX会社ではこれを「赤残(あかざん)」と呼びます。
この「不足金」はいわゆる投資家がFX会社に借金をしている状態です。追加で資産に不足分をいれて補わなければいけません。
支払い請求を拒むと法的措置をとられたり、裁判になったりするケースもありますので、必ず支払いましょう。
ロスカットまであといくら?証拠金維持率を計算してみました!
ロスカットの基準となっている証拠金維持率は「有効証拠金」÷「必要証拠金」で計算できます。
有効証拠金とは
• 証拠金に取引中の損益(含み損)を加味したもの。現時点で決済した場合の口座の残り金額。
必要証拠金とは
• 取引するために最低限必要な元金のこと。建玉証拠金とも呼ばれる。
では、現状の証拠金維持率をシュミレーションしてみましょう。
「1ドル=100円で1万ドルの買いポジションを注文する」ケースで、ロスカットの基準が「証拠金維持率が100%以下」の場合で考えてみましょう。
レバレッジは25倍で、「6万5千円」をFX口座に入金しており、現時点での含み損が「5千円」あるとします。この場合、有効証拠金は「6万円」です。
今回は1ドル=100円なので、取引額は1万ドル=100万円になります。レバレッジ25倍の場合だとすると、必要証拠金は(100万÷25=)4万円となります。
そうすると、レートが変わらない場合、有効証拠金が6万円、必要証拠金が4万円なので、この場合の証拠金維持率は(6万円÷4万円=)150%となります。
ロスカット基準が100%なので、ロスカットまではあと(6万円ー4万円=)2万円の損失で到達することになります。
レートにすると、取引数量が1万ドルなので、(2万円÷1万ドル=)2円分となります。
よって、1ドル=98円になるとロスカットがされる計算となります。
計算方法は上記の通りです。自分の取引額でも計算してみて、ロスカットのリスクには十分注意しましょう。